ヌーたちが教えてくれる、人生の大きな決断の方法

2024年9月9日

　ある風景を思い浮かべてみてください。広大な草原の中で、何かが静かに始まろうとしている。それを見つめていると、不思議と心の中に柔らかな期待が広がっていきます。まるで次に起こることが、何か大切な気づきを運んでくれるかのように。

　ヌーたちの川渡りを追いながら、私たち自身も自然と引き込まれ、次は何が待っているのかと、ふと考えたくなる瞬間があります。次に訪れる物語――それがどんなものであっても、きっと心に響く何かが見つかるでしょう。

《ヌーの川渡り》

　大草原の広がるアフリカで、毎年のように繰り返される光景があります。それは、数えきれないほどのヌーたちが一斉に旅を始める瞬間。

　彼らが向かうのは、豊かな草原を求めたその先にある、広く流れる川です。この川渡りは、まさに命がけの冒険といえます。
　川の前にたどり着くと、彼らは少しの間、立ち止まる。誰もが、目の前の水面をじっと見つめながら、どこかで感じ取っているのです。「渡るべきか、それとも待つべきか」と。

　もしかすると、遠くの風が運んでくる草の香りや、雲の動きが彼らの決断を導いているのかもしれません。そして、ある時、まるで合図が聞こえたかのように、一頭がその足を水に踏み入れると、他のヌーたちも次々とそれに続きます。

《ワニとの戦い》

　ヌーたちが川を前にして立ち止まった時、なんとも言えない緊張感が漂いますよね。大きな決断を前にして、全体が一瞬の静寂に包まれる。まるで、目の前に待ち構えている危険と対峙しているかのように。そして、その危険の一つが水中に潜むワニたち。見えないけれど、彼らもまた静かにその時を待っているのです。

　でも、面白いことに、ヌーたちはただじっとしているわけではありません。時が来ると、一頭のヌーがゆっくりと水に踏み出します。そして、その瞬間、他のヌーたちも一斉に後を追うのです。その光景はまるで、見えない何かが合図を送ったかのよう。そうしてヌーたちが水をかき分けて進んでいくと、今度はワニが動き出します。けれども、ここで起こるのは単なる捕食劇ではありません。

　あるヌーが狙われた時、そのヌーが取る行動に驚かされます。力強く川底を蹴り上げ、必死に水をかき分けてワニの襲撃から逃れようとする姿。時には、その蹴りがワニを押しのけるほどの力を発揮し、見事に切り抜けることもあるんです。それは、まさに生きる力の象徴。そんな時が訪れると、思わず心が踊るような気持ちになりますよね。

　そして、ふと思うのです。このヌーたちが繰り広げる壮大な自然のドラマ、次はどんな場面が待っているのでしょうか？