進化ってこういうことですよね

2025年5月22日

私が放送大学の面接授業を受けた時の話です。
その中で進化心理学についての話題があり、「進化」について、えっ!と驚いた言葉がありました。

正確な言葉は忘れましたが、はやい話、

ということでした。

これを聞いて、一瞬、なんだっ!と思ったのですが、少し考えているうちに、
なるほど、そういうことか! と納得してしまったのです。

1.進化とは子孫が繫栄すること

何らかの「種」にとって、もし子孫が繁栄しないとしたら、それは絶滅ということですよね。
絶滅してしまったら進化も何もありません。つまり、進化するためには何としても子孫が生き延びる必要があるのです。

子孫が生き延びて繁栄してくれさえすれば、結局それが「進化」なんですね。
親のDNAと子供のDNAは、おおよそ似ていても、まったく同じではありません。少しずつ変化しています。

親から子へ、子から孫へ…
延々と少しずつ変化するこの過程こそが、私たちが

と呼んでいるものなのですね。
つまり、誰かが設計してDNAを改良しているわけではありませんし、
誰かが努力して進化しているわけでもない。

2.生物は生存可能な数よりも多くの数が産まれる

これもまた「えっ!」と思ったことですが、
どの種も、生存可能な数よりも多くの数の子供を産むのだそうです。

最初は疑問に思いました。

なんかおかしくないか? ちょうどいい数だけ産めばいいんじゃないの?

でも、よく考えれば、都合よくちょうどいい数が生まれ続けるわけがないんですよね。
普通に考えれば、「少しずつ増える」か「少しずつ減る」かのどちらか。
まあ、爆発的に増えることも、壊滅的に減ることもありますが。

そして、減っていけば絶滅する。だからこそ、
種は生き延びるために、できるだけ多くの子孫を残そうとするのです。

そうして延々と産まれる中で、やがては「その環境で生存可能な数よりも多くの個体」が存在する状態になります。
つまり、生存競争が始まるということですね。

3.進化は高校野球の甲子園トーナメントみたいなもの?

生き残るものと、そうでないものが分かれる。
この生存競争はまさに「選抜試験」です。

私には、これが高校野球の甲子園トーナメントのように感じられました。

地区予選から始まり、1回戦、2回戦と勝ち進む中で、プレーの質がどんどん高まっていく。

そして、いよいよ甲子園での準決勝・決勝ともなると、どのチームもものすごく高度な技術と運を兼ね備えています。

でも、強いチームが必ず勝つわけでもない。
環境や条件、運や相手によって、勝者は変わります。

生き物の進化も、これと似ていると思うのです。
厳しい選抜が延々と繰り返され、ほんの少しでも有利な形質を持った個体が次の世代へとつながるのですね。

4.進化は一方向ではない ― 鳥のくちばしの話

「進化」と聞くと、どうしても「どんどん良くなる」「進歩していく」というイメージを持ちがちですが、実際にはそうではないこともあるようです。

たとえば、ある鳥のくちばしの長さについての観察で、
ある年は「長いくちばし」の個体が有利で数を増やしたかと思えば、 数年後には「短いくちばし」の個体が優勢になり、
さらにその後、また長いくちばしが増えた……という例が報告されていますね。

つまり、「長い」「短い」を何度も行ったり来たりしていたのです。

これもすべて「進化」だというのです。
進化とは「より優れたものになること」ではなく、

だけの話。

私はこの話を聞いて、

 「進化って、上に登る階段じゃなくて、環境に合わせて形を変えながら生き延びる旅のようなものなんだ」

と感じました。

5.《こころ》も進化した

そしてこの進化において、体だけでなく、《こころ》も進化したと私は思っています。

より生存に適した「こころ」を持つことも、きっと競争を勝ち抜く一因になったのでしょう。

 子供を守ろうとする「こころ」
 戦おうとする「こころ」
 共に寄り添う「こころ」

私は、「こころ」は人間だけのものではないと思っています。
生命40億年の歴史のはじめから、体とともにこころも生まれ、体とともに進化してきたのだと。

その結果、私たち人間には「人の心」としてとても洗練された「こころ」が出来上がったのではないでしょうか。

6.では《こころ》って何でしょうね

私もずっと昔から「こころって何だろう?」と考え続けていました。

いま思うのは、こういうことです。

心って、
「本能」と「学習」と「思考」と「習慣」と「感情」

これらが混じり合ってできているのではないでしょうか。

心ってこういうことですよね。

ご興味があれば、よろしくお付き合いください。

※このブログは「70過ぎてのお勉強」シリーズの一環です。
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