研究レポート77・イワシの学校は海の中にあった
77歳になって、あらためて「研究ごっこ」を始めてみました。
タイトルは勝手に《研究レポート77》。
人の心や動物の行動、進化、そして「命ってなんだろう」という感覚を、自分なりに見つめ直すノートです。
海の中にあった「子どもだけの学校」
イワシは、私たちにとって昔から身近な魚です。
何千、何万という仲間と群れをなし、ひとつの生き物のように海を渡っていきます。
不思議なのは、その見事に乱れのない動き。
実はイワシの子どもたちは、いきなり大人の群れに加わるのではなく、まず「子ども同士だけの群れ」で2〜3か月を過ごすのだそうです。
ぶつからず、離れすぎず、方向を合わせる――そんな練習をしながら、やがて大人の群れに合流する準備をしているのです。
誰も教えない学びのしくみ
この話を知ったとき、私は「まるで海の中に学校があるみたいだ」と感じました。

先生がいるわけではありません。
ただ仲間の動きを感じ取り、反応し、真似をする。その繰り返しが自然と「群れの泳ぎ方」を身につけさせる。
人間の子どもたちが、遊びや暮らしの中で自然に学んでいく姿と重なって見えてきます。
「感じて学ぶ」力は、生き物に共通する学びの本質なのかもしれません。
私たちの日常にも?
思い返してみると、私たちも言葉で「教わった」ことより、雰囲気や仕草、空気の流れから「感じて覚えた」ことの方が多いのではないでしょうか。
今日の小さな実験として――
誰かと一緒にいるとき、相手の言葉ではなく「ちょっとした動きや空気感」を意識してみてください。
もしかしたら、今まで気づかなかった学びや気配に出会えるかもしれません。
今日の気づき
イワシの群れの美しい動きには、子ども同士で過ごす“海の中の学校”があった。命の学びは「感じる力」から始まる。
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