研究レポート77・赤ちゃんが顔に惹かれるわけ
77歳になって、あらためて「研究ごっこ」を始めてみました。
タイトルは勝手に《研究レポート77》。
人の心や動物の行動、進化、そして「命ってなんだろう」という感覚を、自分なりに見つめ直すノートです。
生まれたばかりの視線
赤ちゃんは生まれてすぐのころ、ほとんど目が見えていません。
それでも、ごく近くにいるお母さんの顔や、大きなパーツ――目や口の動きを捉えることはできます。

繰り返しその「顔らしきもの」を見るうちに、自然と「顔」に注意を向けるようになり、さらに「目が動くと顔も一緒に動く」という体験を何度も重ねていきます。
こうして脳は「人の目を見ること」に特別に敏感になっていくのです。
“顔の専門家”は人間だけじゃない?
さらに面白いのは、脳の「紡錘状回」という場所の働きです。
ここは人の顔に反応するだけでなく、車の専門家なら車を、牛の専門家なら牛を見たときにも強く反応することが分かっています。
つまり「顔に惹かれる」というのは生まれつきの仕組みだけでなく、繰り返しの学習によって強化されていくもの。
赤ちゃんが顔に惹かれるのは、まさに「体験が脳を育てる」証拠だといえるでしょう。
今日ためしてみたいこと
考えてみれば、私たちが日常で「つい目を奪われるもの」も、きっと自分の経験の積み重ねで育った結果です。
あなたは最近、ふと視線が吸い寄せられてしまうものは何ですか?
今日の実験として、自分がよく目で追っている対象を一度意識してみてください。
それは人かもしれないし、猫や車やスマホの通知かもしれません。
「なぜ自分はそれに惹かれるのか?」を考えるだけで、自分自身の“学習の跡”が見えてくるかもしれません。
今日の気づき
赤ちゃんが顔に惹かれるのは、生まれつきだけでなく、繰り返しの体験で脳が育つから。私たちの「目を奪われるもの」も、経験がつくり出している。
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