優しさは人の本能、ファイトソング慎吾くんと春樹くん

ファイトソングの慎吾くんにとって、春樹くんは恋敵です。

春樹くんは慎吾くんにとって、好きで好きで大好きな花枝ちゃんを横取りする憎いやつなんです。

そうとはしらない春樹くんの顔を見るたび、慎吾くんはイヤ~な顔をしちゃいます。

そんな慎吾くんなんですが、

  ある日、ある時、あるところで

  慎吾くんが春樹くんに

   優しい言葉をかけてしまいました。

これって、どうして?

花枝ちゃんは、どちらかというと恋には疎いほうです。なので、慎吾くんが花枝ちゃんを好きなことにも全く気づいてません。

そして花枝ちゃんは「恋への取り組み」と称して、同じく恋に疎い春樹くんと恋愛ごっこを始めてしまいました。

花枝ちゃんに恋心を持っている慎吾くんにとって、これは一大事です。

二人がだんだん本物の恋愛に発展しそうなムードを感じて、焦り始めました。

なんとかこんな恋愛ごっこを止めさせたい慎吾くんですが、そのタイミングがつかめません。

そんな中、慎吾くんは偶然春樹くんを見つけてしまいました。

春樹くんは、レコード会社の社長に対して

 「もう一度だけ
  チャンスをいただけませんか?」

って、頭を下げて一生懸命お願いしているところを見てしまったんですね。

いや~、こんなところを見せられてしまったら、慎吾くんも心が動いちゃいますね。

その直後に春樹くんと顔を合わせてしまった慎吾くんですが、つい春樹くんを慰めてしまいました。

 「かっこ悪くなんかないですよ
  俺もあるんで

  ほら 信用金庫とかに

  何とか お願いします
   みたいなね」

なんて、つい優しい言葉をかけちゃってました。

でも、その後の独り言で

 「何で いい感じになってんだ 俺は」

なんて、慰めたことをこっそり後悔してました。

でもしょうがないですよね、これは。

  困ってる人を見たら、

  つい、助けてあげたくなる

って、これは人間の本能的な欲求ですから。

あさひ学園がどうしてできたのか、と言えば

  困ってる人を助けたい

と思う人たちがいたからですよね。

そうそう、「恋せぬふたり」っていうドラマの中でもありました。

カズくんが階段を駆け上がって高橋さんにつかみかかろうとしたとき、バランスを崩して階段を転げ落ちそうになったんです。

その瞬間、高橋さんはとっさにカズくんを助けようとして、手でカズくんを助けました。

結果、カズくんは大丈夫だったんですが、逆に高橋さんの方が階段を転げ落ちてしまいました。

その後どうなったのかはここでは別にして、この「助ける」というのは人の本能なんですね。

  走っている小さな子が転んだ!

なんていうところを見たら、たいていの人はハッとするんじゃないでしょうか。

そして、助けてあげたいと思うと思いますよ。

もうこの欲求は、ほとんどの人に組み込まれた本能なんだと思います。

どうしてこんな本能が組み込まれたのか、と言えば、やっぱり

  こんな本能がある種が

  生存競争に勝ち抜いた

という、進化の原理の結果なんだと思います。

たとえば自分の子供が外敵に狙われた時、お母さんやお父さんがさっさと逃げ出すという本能を持った動物よりも、命がけで子供を守ろうとする本能を持った動物の方が子孫繁栄の競争では勝った、ということと同じなんだと思います。

困っている人を助けたい本能

でも、どんな風にこんな本能が芽生えたのかは興味がありますね。

外敵に襲われた時、みんなが我先にと逃げる集団の中に、何故か突然変異で「仲間を助けてあげたい」という欲求を持った人がいたとき、その人は他よりも先に犠牲になる可能性が高くて、子孫はできにくかったんじゃないでしょうか。

でも、この突然変異で「仲間が困ってたら助けたい」という人が2人か3人集まった時、この集団はたぶんとても強い力を持ったんだと思います。

こんな社会性を持った集団はとっても強くて、生存競争に勝利し、子孫繁栄を成し遂げたんでしょう。

この兆候が見られたのは、はっきりとは覚えていませんが、ホモサピエンスの初めのころだったような気がします。

化石を調査している人のテレビ番組を以前見た時のことですが、

化石の中に「歯のない人の化石」が見つかったということを紹介してました。

  歯のない人

普通、自然界では歯がなかったらもう生きてはいけません。獲物をとって食べることができないので。

でも、この化石が見つかったということは、誰かがこの人に歯がなくても食べられるものを与えていた、ということを意味するそうで、

つまりこの段階で、人類には

  困っている人を助ける

という本能が育ってたっていうことが分かるみたいですね。

でも、こんな本能を持った人が何人かそろうまでに、いったいどれだけの親切な人が悲哀を味わったんだろう、なんて想像すると、ちょっと切ない感じもしちゃいます。

そしてこの「困っている人を助けたい」っていうことが本能的な欲求だとすると、逆に困ったことにもつながっちゃいますね。

そうです、

  困ってる人がいてくれないと

   欲求不満になる!

これがいわゆる「ありがた迷惑」だったり、「過保護」や「過干渉」なんていうやっかいな問題につながっていそうな気がします。

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Posted by polkasmile