禁断の兄弟愛?ファイトソングの仲間達の恋を進化的に考えて
テレビドラマ「ファイトソング」
このドラマでは児童養護施設あさひ学園出身の慎吾くんが同じあさひ学園出身の花枝ちゃんに恋してます。
その慎吾くんには同じくあさひ学園出身の凜ちゃんが恋してます。
花枝ちゃんはちょっと恋にうとい感じなんですが、その花枝ちゃんがもっと激しく恋にうとい春樹くんと恋愛ごっこを始めちゃって、何やらややこしくなってきました。
(第5話までの話ですが)
と、ここで慎吾くんと凜ちゃんと花枝ちゃんとの関係の問題性が、実はここでの話題なんです。
–more–
慎吾くんと花枝ちゃんと凜ちゃんは同じあさひ学園の出身なので、幼少期を一緒に過ごしたことになるんですね。
で、これはドラマの設定としての話なので、これはこれでいいんですが、
放送大学の進化心理学の講義での話で、幼少期を一緒に過ごした相手には、普通は恋愛感情や性的な感情が起きにくいということを聞きました。
あまり響きのいい言葉じゃありませんが、「近親相姦」なんていうものがあって、これがなかなか問題なんだそうです。
つまり近親相姦だと、産まれる子供が正常じゃない可能性が高くなるっていうことなんですね。なので、法律的にも兄弟同士の結婚は禁止されているわけなんですね。
でも、長い人類の歴史の中で、兄弟同士の結婚が禁止なんていう法律ができたのはごくごく最近の話ですよね。
じゃあ法律ができる前までの、人類の歴史の大半の時期の兄弟同士の結婚はどうだったんでしょう。
ここで思い切って、人類に進化する前の動物の段階で考えてみたいんですが…
自然界の中には家族で群れる動物がいるという話はよく聞きますよね。
お母さんが子供たちを引き連れ、優しく見守って育てていく、なんていう動物たちがいます。
でも、この動物たちはいつまでこの家族関係を続けているんでしょうね。
よく見る話として、ある時、優しかったお母さんが突然我が子に襲い掛かり、家族の中から追い払ってしまう、なんていう場面を見ることがあります。
子供にとっては、あの優しかったお母さんがどうして突然豹変するのか意味が分かりません。それでもとにかく、逃げなければ自分が殺されかねません。
子供は泣く泣く家族の元を離れ、一人で生きていかざるを得なくなってしまうんですね。
お母さんは、どうしてこんなことをするんでしょうね。
きっと、あの近親相姦の弊害が大きく関係しているんだと思います。
このことを考える時、
もし仮に、お母さんが成長して大人になった子供をも家族としてそのまま一緒に生活するとどうなるのでしょう。
もしかしたら、子供たち同士、兄弟同士が交配して子孫を作ることになっちゃうのかもしれません。
つまりは近親交配が頻繁に起きるっていうことですね。
きっと、これが良くないことなんじゃないかと思います。
こんなことをずっと続けてたら、その種は滅んでしまいます。
だから子供を家族の群れから追い出すんだ、ということじゃなくて、
「家族の群れから追い出す本能のある種」
の動物の方が子孫の繁栄に有利だったのでしょう。
だから「家族の群れから追い出す本能」のある種の方が生き残った、つまり進化したんじゃないかと思います。
じゃあ、人はどうなんだ? っていう話ですが、
本質的には人も同じなんですが、人はもっと穏やかな方法をとっていました。
そうです。
これが、
幼少期に生活を共にした相手には
恋愛感情や性的感情が起きにくい
っていう本能が人には備わっている、っていう理由だと思います。
全然っていうわけじゃないですが、基本的に、子供のころから一緒だったお兄ちゃんやお姉ちゃんに恋愛感情を抱くっていうのは、あんまりないですよね。
キュンとするのは、たいていはよその家の人に対してですよね。
この本能がなかった人種は、きっと生存のリスクが高すぎて、絶滅組に含まれてしまって、兄弟間での恋愛をしない人種が生存競争を勝ち抜いて、今に生き残ったんじゃないかと思っています。
ただ、目の前にいる人が自分の兄弟かどうかなんて、見ただけで分かる訳がありませんよね。
でも、幼少期に一緒に過ごしたかどうか、ということなら簡単に分かります。
そして、幼少期に一緒に過ごしたかどうかで判断するという方法でも、子孫の繁栄には十分役にたったんでしょう。
という意味では、ドラマ「ファイトソング」の花枝ちゃん、凜ちゃん、慎吾くんの三角関係は現実にはとても起こりにくいことのように思えます。
が、
ドラマなので、そこまで気にしないで楽しんでる方が得ですね。
ちなみに慎吾くんは凜ちゃんと一緒になった方が性格的にうまくいきそうな気がしました。
そして春樹くんは、花枝ちゃんと一緒だときっと大変そう! 春樹くんには弓子さんがいちばん似合いそうです。
そうすると花枝ちゃんは?
はて、どうなるのでしょう?
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