研究レポート77・遊びは最高の学び! 子どもが箱で見つける世界の法則

2025年9月15日

77歳になって、あらためて「研究ごっこ」を始めてみました。
タイトルは勝手に《研究レポート77》。
人の心や動物の行動、進化、そして「命ってなんだろう」という感覚を、自分なりに見つめ直すノートです。

大人には遊べない「箱」

放送大学の音楽に関する授業で、先生がこんなことを言いました。
「(弁当箱のような)ただの箱をもらったら、あなたはどうやって遊びますか?」

教室の大半は大人の学生。
「ふたもない箱ひとつで、どうやって遊ぶんだろう?」と、私も首をかしげていました。

でも、実際に小さな子どもにその箱を渡すと、驚くことが起きます。

たたく

裏返す

なめる

放り投げる

何かにぶつける

その他にも、次から次へと「遊び」が生まれるのです。

遊びは学びだった

このとき私は気づきました。
子どもたちは単に遊んでいるのではなく、世界を学んでいるのだと。

叩けば音が出る

見える形と実際の形の違いを知る

どこを叩けば壊れるかを知る

投げればどう落ちるかを体で理解する

こうして世界の法則をひとつずつ体験し、脳に刻んでいるのです。

(ちなみに「錯視」とは、こうして学んだ“見え方と実際の関係”が、特別な画像によって裏切られたときに起きる現象ではないか、と私は感じています。)

アフリカの野生動物誌

人間だけではありません。
ネコでもイヌでも、ゾウでも、赤ちゃんのころはとにかく遊び好きです。

黒田弘行さんは『アフリカの野生動物誌』の中で、
「遊び盛りの子ゾウたちは
 食事もしないで押しくらまんじゅう」
と言っていました。

遊ぶことは、すなわち生きるために学ぶこと。
それは生き物に共通する“おきて”なのだと思います。

今日ためしてみたいこと

今日の小さな実験として――
「自分にとっての遊びはなんだろう?」と考えてみませんか。

子どものころの「夢中になった遊び」を思い出してもいいし、いまの日常の中で「気づけば没頭していること」でもかまいません。

それはきっと、あなたがまだ学び続けている証拠です。

今日の気づき

遊びは“命の学び方”そのものだった。