研究レポート77・本能が燃えるのは「可能性」
77歳になって、あらためて「研究ごっこ」を始めてみました。
タイトルは勝手に《研究レポート77》。
人の心や動物の行動、進化、そして「命ってなんだろう」という感覚を、自分なりに見つめ直すノートです。
欲しいけど動けないもの
「あなたは1億円欲しいですか?」
こう聞かれたら、多くの人が「欲しい」と答えるでしょう。
でもその瞬間、「じゃあ本気で1億円を手に入れるために、いまから全力で動こう!」と思える人はほとんどいませんね。
なぜなら、それはただの夢や空想であって、現実に手を伸ばせる対象ではないからです。

可能性が燃料になる
では、こう言われたらどうでしょう。
「あなたの技術を1億円で買いたい人がいるらしい」
その瞬間、心がザワッと動きませんか。
「もしかしたら自分にもチャンスがあるかもしれない」――そう感じた途端に、感情が沸き起こり、技術を磨こう、準備しようと体が動き出す。
本能はこんなふうに、感情を通じてエネルギーの使い道を決めているように思えます。
不可能なもの → エネルギーを出さない
確実に手に入るもの → わざわざエネルギーを使わない
可能性があるもの → 感情を燃料にして全力を出させる

あなたにも覚えがあるはず
最後のひとつの商品を、他の人も狙っているとき。
オーディションや試験で、最終候補に残ったと知ったとき。
抽選の当たり番号が、もしかしたら自分の手元にあるかもしれないとき。
「絶対に手に入らない」ときでもなく、「確実に手に入る」ときでもなく――。
その中間の「可能性がある」ときにこそ、人はドキドキし、燃えるような欲求に突き動かされるのでしょう。
今日の気づき
本能は“効率よくエネルギーを使え”と命じるが、その燃料を投下するのは「可能性」があるときだ。
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